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機械材料加工学分野研究内容

   
ベラーグ生成付着機構と摩耗機構に関する研究
Belag生成を前提としたコーテッド工具の開発と切削性能に関する研究鉄系材料(鋼や鋳鉄)の微量成分を調整し、適切な条件を満足させてやると工具の摩耗表面に選択的にベラーグ(保護皮膜)が生成し、工具摩耗を飛躍的に抑制する現象が生じます。 一方、工具側の条件として工具中にTiCを含有することがあります。そこで各種化合物をコーティングした工具を作成し、実験を行った結果、Ti化合物(炭化物、窒化物、炭窒化物等)であれば、超鋼P種に比べ安定に付着することが確認できました。そこで、このベラーグが工具表面に付着する界面の状況をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて観察してきました。当初考えていた反応層を介して凝着するのではなく、反応層はなく直接工具材料物質とアモルファス状態で付着していることがわかりました。またベラーグ膜が付着していてもいずれ工具は摩耗し寿命を迎えます。この摩耗のきっかけは界面への融点の低いFeOの集中で、これにより再結晶化が起こり、界面での拡散現象が発生して工具が損傷する過程が見えてきました。このことから、工具のさらなる長寿命化の対策を実施し、その効果を検討しています。また、鋳鉄や鋼だけでなくダクタイル鋳鉄の快削化にも取り組んでおり、環境対応型加工を目指す一つの手法です。
 
 
ミネラル水ミストを利用した快削化技術の開発
上記ベラーグ生成には、通常被削材料に適量の非金属介在物を含有させることが必要になります。必ずしもそのような処置が行なえない場合(材料特性が問題なるような材料など)、外部供給でベラーグ構成元素化合物を工具-被削材接触領域に供給する、また別種類の被削材料に対して酸化を助長して酸化物の潤滑作用を利用して凝着を減少させる方法(以下の酸化雰囲気の事項と関連)として、ミネラル水ミストによるMQL(Minimum Quantity Lubrication)加工の検討を行っています。効果のあるミネラル水成分も見つかり、切削実験を実施しています。またチタン合金やインコネルに対して酸化物による凝着低減効果が認められ、工具損傷の低減に効果があることもわかりました。
 
酸素富化膜を利用したエコマシニング用装置の開発及びエコマシニング技術の研究
大気中より酸素リッチあるいは窒素リッチのガスの分離が可能な酸素富化膜(参考)を利用して低酸素から高酸素までのガスブローによる加工雰囲気コントロールを行い、 ドライ加工において工具寿命延長を図るための、また既存の工作機械にも装備可能な装置開発とそれに伴う加工技術の研究を行っています。 また高酸素領域ではコーティング膜の自己潤滑や酸化物系保護膜(材料の成分調整が必要でありますが)の生成などを狙った検討を行っています。
 
チタン合金の低コスト高速ドライ加工技術の研究
最近の加工分野の課題として、環境対応(エコマシニング化)、加工コスト低減が求められています。これまでの研究で、切削温度が非常に高くなるチタン合金(Ti-6Al-4V及びβCチタン合金)を超硬エンドミルで高速ドライ加工(Ti-6Al-4V;切削速度500m/min、βCチタン合金;切削速度250m/min)することが可能であることがわかりました。 一方、工具コストの安価なハイス母材のコーティング工具でも工具の耐熱温度を超えなければ高速化の可能性があります。
そこで、各種コーティングを施したハイスエンドミルを用いたチタン合金の高速ドライ加工の研究を行っています。 そして、コーティング膜の自己潤滑作用(新しいコーティング材種)の効果や加工条件を検討しています。
超硬工具に比べ加工面が良くなる可能性や仕上げ切削として十分な除去能率が得られることがわかってきました。
 
雰囲気制御によるチタン合金の高速ドライ加工技術の研究
最近の加工分野の課題として、環境対応(エコマシニング化)、加工コスト低減が求められています。 通常、高速で加工しますと加工能率は高くなります(加工コスト低減につながります)が、工具刃先の温度が上昇して工具がもたなく(工具寿命が短く)なります。 そこで、工具を冷却する目的で切削油剤が使用されていますが、環境(自然環境、作業環境)の問題から油剤を使用しない(加工コスト低減の面でも有効)、 できればドライ加工する(エコマシニング)方向に(全ての加工には無理ですが)向かっています。
これまでの研究で、エンドミル加工のような断続切削で加工するやり方を工夫すれば、 切削温度が非常に高くなるチタン合金(Ti-6Al-4V及びβCチタン合金)を超硬エンドミルでは通常加工できないような高速域で、 しかもドライ加工(Ti-6Al-4V;切削速度500m/min、βCチタン合金;切削速度250m/min)することが可能であることがわかりました。 またコスト低減を考えるのであれば、工具コストの安価なハイス(高速度鋼)母材のコーティング工具でも工具が軟化する耐熱温度を超えなければ高速化の可能性があります。 さらに、最近のコーティングにはコーティング物質の酸化を利用して潤滑性を与えるものがあり、 その酸化を促進するため、およびチタン合金は低酸素雰囲気では工具への溶着が激しくなり工具の損傷を激しくする性質があるので、 加工中の雰囲気を変えて工具の寿命を延ばすことが考えられます。
そこで、各種コーティングを施した超硬およびハイスエンドミルを用いた雰囲気制御によるチタン合金の高速ドライ加工の研究を行っています。 そして、コーティング膜の自己潤滑作用(新しいコーティング材種)の効果や加工条件を検討しています。
 
酸化物の潤滑性を利用した切削に関する研究

酸化物には潤滑性の高いものがあります。この酸化物の潤滑性を利用して切削中の被削材と工具の凝着を抑え、 工具の摩耗を低減する方法と工具と凝着物界面の反応生成物の確認、その生成状況に及ぼす酸化物の関与の仕方などについて、現在工具として主流の各種コーティング工具を用いて検討しています。 また非常に凝着が激しく起こるために加工が難しいβ型チタン合金やインコネル718の加工にこれを適用して効果を検証しています。

 
超耐熱合金の切削加工に関する研究
超耐熱合金は、高温強度が高い、加工硬化しやすい、工具材料と親和性が高いなどの理由から難削材料といわれている。近年、航空宇宙分野やエネルギー分野での用途拡大が期待される高耐食性を有する超耐熱合金に対する需要の高まりから、超耐熱合金の一つであるインコネルに対する切削加工の高能率化が求められるようになってきた。そこで、本研究では、耐熱合金であるインコネル625を対象に、インコネル718と対比しながらノンコート超硬工具およびコーテッド超硬工具による外周旋削を行って工具摩耗特性を明らかにするとともに、工具摩耗に及ぼす切削速度の影響について検討している。
 
電子ビーム照射による表面改質に関する研究
日本では1960年代に電子ビーム溶接技術が開発された。作業時間、寿命などの電子ビーム溶接の欠点を改善するための積極的な研究開発が行われた結果、1970年代に自動車産業分野において広く使用されるようになった。一方、最近では電子ビーム照射が表面加工や表面改質の分野に適用されつつある。例えば、電子ビーム照射で研磨やブラストを行う表面加工法が開発された。現在、電子ビーム照射による表面改質のメカニズムを究明するとともに、電子ビーム照射を活用した従来にない表面改質の開発を行っている。
 
 
すべり直動案内の摺動摩擦特性の向上に関する研究
摩擦力発生の基本原理は表面同士の凝着部をせん断するために必要な力に起因するという凝着説が現在有力である。工作機械のすべり直動案内は、静剛性や振動減衰性は高い一方、摩擦係数が高くかつ低すべり速度域で急上昇するため、位置決め精度が悪い。また、摺動油粘度およびすべり速度によって摺動面の潤滑状態が大きく変化するため、摩擦係数の速度依存性が高い。切削や研削、研磨といった機械的な除去加工ですべり案内面を仕上げ、摺動面の凝着力を低減させることによって摩擦係数の低減を図り、工作機械のすべり直動案内の摺動摩擦特性の改善について研究開発を行っています。
 
工作機械の熱変位補正システムの高精度化に関する研究
近年の工作機械は複合化によってその機体構造が複雑化したため、従来の熱変位補正システムでは加工精度の保証が困難になっている。本研究の目的は、この課題を解決するため、工作機械機体の温度測定結果と工作機械機体熱源熱量推定法を援用した新たな複合加工機用熱変位補正システムの構築である。具体的には、工作機械機体に分散して作用する非定常熱源の熱量と工具刃先変位との関係の定式化およびNCデータを生成するCAMとの連動した熱変位補正システムの構築を検討し、切削加工実験を行って本システムの有効性を検証するものです。
 
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